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2014-05-10(Sat)

ミサカ妹「………したい、とミサカは…………です」



VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/16(水)

始めに。
・上条当麻×御坂妹のSSです。
・SS書いたことほとんど初めてなので文章は稚拙です。
・後半ちょと…いや、かなり…?えろいです。

それでも宜しければ、どうぞ。

学園都市には無人バスというものが存在する。なれば『無人タクシー』というものも存在する訳で。

上条当麻とミサカ10032号通称『御坂妹』は、無人タクシーの後部座席に座っていた。車内には今時の流行ポップスやラジオなどは掛かっておらず、静かなものだった。二人はタクシー特有の、あの硬いとも柔らかすぎるとも言えない位のちょうど良い座り心地のシートに尻を沈ませていた。

運転席からみて右側に座った御坂妹は両手をスカートの上に乗せてタクシーの遥か後方にぐんぐん遠ざかっていく学園都市のビル群を、上条当麻は窓際に肘をつきながら運転席の左側に置かれた(ちょうど助手席との間くらい)タクシーの料金メーターを、特に会話する内容も見当たらないままにそれぞれぼーっと眺めていた…。

季節は秋。衣更えが終わり上条は学ラン姿だった。御坂妹も姉の美琴の通う常盤台中学のブレザーを着衣していた。まだまだ残暑の厳しい学園都市だったが車内には冷房が効いていて、快適であった。

「…けど御坂妹、俺なんかがついてきちまって本当に良かったのか?」

上条は何となく御坂妹に尋ねてみた。御坂妹はぼーっと外を見ていたが質問されたことに気づき顔を上条の方へ向けてから、

「はい、とミサカは自分の肯定的な心情を素直に吐露します」

と氷のような無表情さでそう返答してきた。

(うーん…)

腕組みしつつ、上条は心の中で唸った。寮に置いてきた三毛猫とインデックスも心配だが(主に冷蔵庫の中身的なイミで)学園都市の外に出たらまたどこぞの魔術結社やらなんやらが現れて何が何だかよく分からない内に魔術儀式ー!だのといったハイパートンデモ事件を引き起こされてまたその渦中に巻き込まれるんじゃなかろうか、と。

「…学園都市の外とは、どんな所なのでしょうか、とミサカは少しばかりの不安な気持ちを口に出してみます」

「ん?…んーーそんなに変わらないんじゃないか?…まぁ技術力には差があるけどさ」

「…そうですか、とミサカは貴方の答えに納得してみます」

かつて何度か『外』へ出た事のある上条は、そう答えた。御坂妹は今の上条の答えに満足したのかしていないのか分からない表情で、うーんと数秒考えやがて自分の中で何かを納得させたのかうん、と上条に気づかれないように一人頷いた。そして再び流れていく窓の外の風景を目に留める作業に移った。上条もまた、御坂妹に習い学園都市の空を見上げた。

無人タクシーの向かう先は飛行場のある第二十三学区だった。太陽も西に沈みかけた午後四時半。街は茜色に染まっていく。上条は目的地に着く未来の自分のイメージだけをただ膨らませていた。御坂妹は学園都市の外の世界にどんな思いを馳せているのか、今はただぼんやりと窓の外を眺めている。

きっかけ…というか始まりは、ほんの数時間前の出来事だったーー…。

ーー


第七学区の表通りを上条当麻とインデックスはてくてく歩いていた。今日は上条がよく利用するスーパーの特売日だ。上条の両手には、様々な食料品がいっぱいに詰め込まれたビニールの袋が、重そうにぶら下がっていた。

「ふぁふぁらふぁふぁひははんほほひっへふんはっへ!」

「…頼むから口ん中の物飲みこんでから喋ってくれ、インデックス」

寮に帰り着くまで我慢出来ないんだよとーま!と買ったばかりの百円アイスをぱくつきながらインデックスはふらへらはらと、こんにゃくがないと翻訳不可能な地球外的言語を喋り続けていた。

スーパーの袋の中には他にも百円アイスが山盛りに入っていて、アイスだけを分けた袋はインデックスが持ち歩いていた。やがてごくんとアイスを腹の底へ押し込んだインデックスは、その切実なその願いを、上条へと打ち明けた。


「だから私は海老フライが食べたいんだよ!」

「だーめ!」「どうして?」「高いから」

…交渉決裂。

腹が減ったら食う!我食う故にハラヘリ(?)のスタンスを貫く我が家の経済事情などこれっぽちも考えない腹ぺこシスターさんは、可愛らしく地だんだを踏んで上条に対して自身の食に対する精一杯の抗議をし始める。一方の上条はオゥ日本語ワカリマセーンと外人ばりに肩を竦めて馬耳東風、財布の紐はそう簡単には緩めない。

「むーー…!」

ぷーっと頬を膨らませるインデックス。ちょっとばかし涙目になったその顔を見て、エサ袋に夢詰め込んだリスみたいだなお前ーとか余計な茶々を入れたかった上条だったが、火に油なだけなのでそっと心の中にしまっておくだけにした。

「いいもん!…とうまのバカ!」

インデックスはそんな捨て台詞を吐いて、上条達が暮らす学生寮とは正反対の方向へ走り去っていってしまった。こうなると二、三時間は帰ってこない。まぁ昭和の子供よろしく腹が減ったら心も折れるインデックスなので特に追いかける必要もなかったが。

(…ま、いっか)

上条はそのまま真っすぐ帰宅する事にした。

「あ、かみじょーとうまだ!」

寮の玄関に着くとドラム缶型の清掃用ロボットの上にちょこんと座ったメイドがくるくるくるーとこちらに向かってきた。

隣人土御門元春の(義理の)妹、舞夏だった。

「よぉ、土御門ならいないぞ?」

「知ってるぞー、何処へ行ったかまでは知らないけどなー」

あはははー、と清掃用ロボットの上でくるくると回り続ける舞夏。兄の土御門元春は、数日前から学校も欠席してふらりとどこかへ外出していた。

(舞夏ちゃんにも行き先を知らせてねぇってことは魔術…イギリス清教絡みかな)

等と適当に当たりをつける上条。上条は知らなかったが土御門は魔術サイド…イギリス清教『必要悪の教会』だけではなく、科学サイドの闇組織『グループ』にも所属している。そのせいで、何日も家を空けたまま留守にしているということが頻繁という程ではなかったが、少なくはなかった。そして今回も決してその例に漏れている訳ではないだろうと、上条は心の中でそう勝手に納得していた。

「今日はかみじょーとうまに兄からのお土産を持ってきた、ほい」

「…って帰って来てたのか、土御門?」

手渡されたのはケータイショップなどで携帯電話を買った時に貰うような大きさの、真っ白で小さい紙袋だった。中にはなにか高級そうなお菓子が入っていますよー的な自己主張をしてはいたが、そう気軽にほいと手渡されても中身の想像など上条には全く思いつかない。まあ土御門の事だから中には爆弾が入っていてもおかしくはないかもなー、などと本人の前では絶対言えないようなジョークを心の中で呟く。

「中身はチョコらしいぞ。兄貴はまだ帰ってこれないけどとりあえずって送ってきた」

「おーさんきゅ、後で適当にお礼と食った感想でも伝えとくよ」

「じゃー私は用があるからこれで失礼ー」

用件を済ませた土御門舞夏は清掃用ロボットを巧みに操りくるくるくるーと回転しながら寮の外へと消えていった。それを見送り上条は自分の階のエレベーターのボタンを押した。

(後でインデックスと二人で食うか)

これでインデックスの機嫌が直ってくれればいいのだが…、などと淡い期待を持ちながら上条は、今日の夕飯の支度をするべく重たい両手を引きずりいそいそと住み慣れた自分の部屋のドアノブに手をかけた。

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/16(水) 16:52:36.08 ID:Lpc0eO/DO


ーー


ーー御坂妹は、夢想している。

「ああ丁度良かった。ちょっとお使いを頼まれてくれないかな?」

朝、第七学区にある病院内で御坂妹はカエル顔の医者に呼び止められた。

「なんでしょうか?とミサカはやや怪訝な顔をしながら聞き返してみます」

「そんな物騒な頼み事じゃないよ」

カエル医者は朗らかにそう前置きし、

「懐中電灯に使う電池が切れてしまってしまってね。ちょっと買って来て欲しいんだ」

と、御坂妹に使いっパシリ…もとい、お使いの内容を話した。

そういうことですか、と了承の意を示した御坂妹はカエル顔の医者からお金を貰い(釣銭は好きに使ってよいとの事だった…この一言が御坂妹の気持ちを前向きにさせた)勢い勇んで病院を飛び出した。

「今日は身体検査に外部の協力機関の元へ行く日だからね。あまりふらふらと寄り道しないで真っすぐ帰ってくるんだよ?」

身体検査。
約一万人いるミサカシスターズ達のほとんどは世界中の学園都市の協力機関に身を置いていた。生活する場所の違う彼女らが、環境の差異で何か特別な変化が起こるのか、という科学者達の興味本意による定期的な『検査』という物が、年に数回行われていた。(ちなみに、御坂妹にとってこの検査は今回が始めての事だった)

道中御坂妹はカエル顔の医者の言った言葉を胸の中でリピートしつつ、

(ミサカは寄り道などしないで真っすぐに帰ります、とミサカは自分に言いきかせます)

と、そう何度も繰り返しながら女の子にとって誘惑だらけのショッピングモールをとてとてとスルーして、いざたどり着いた先はコンビニだった。

「いらっしゃいませー」

自動で開いたドアをくぐるとひんやりとした冷気がピーカンの秋の太陽に照らされて汗ばんだ御坂妹の肌をふわりと撫でた。

コンビニにあまり立ち寄った事のない御坂妹にとっては、物がどの棚のどこら辺にあるのかーなんてのを『これこれはここらへんだなー』なんて直感で大体の見当をつけてすぐに移動したりするなんて事は出来なかった。目的のモノを探す為ふらふらと店内をうろついていると、

「お姉様」

「あ、」

学校をサボってマンガ雑誌を立ち読みしている、御坂美琴に出くわした。

御坂美琴は、余程真剣にその雑誌を読んでいたのか、話しかけられるまで御坂妹の存在には気づきもしなかった。口をぱくぱくさせてなにか言いたそうな御坂美琴に対して御坂妹は、

「何を読んでいるのですか、と先手を取ったミサカは興味津々にお姉様に尋ねてみます」

ちらと興味の対象を御坂美琴の持っているマンガ雑誌に向けてみた。

「こっ、これはその、ちょっと…その…」

御坂美琴は慌てて持っていたマンガ雑誌を後ろ手に隠した。どんな内容なのかは分からないが顔を赤くしながらあはは、と愛想笑いする御坂美琴を見て、何がそんなにまずいのか、御坂妹はそのマンガ雑誌に興味をそそられた。

「…あ、あんた、こんな所で一体何してるのよ」

御坂妹の興味の矛先を変えようとする御坂美琴。

「お姉様こそ何をしているのですか?まさか学校をサボタージュですか?とミサカはジト目でお姉様を見つめます」

「わ、わたしは…その……」

「スキあり」

それを好機とみたのか御坂妹はえいっとその雑誌を持っていた御坂美琴の手からひったくる。

「あ、ちょ…!」

「……………………」

それは、少女マンガだった。
簡単に説明すると主人公の恋する少女が長身イケメンと恋愛沙汰ですったもんだを繰り返しいちゃつき抱き着きキスをしたりそれ以上のごにょごにょ…といったようなものだった。

「……これは、」

あまりの内容に言葉を失う御坂妹。

「お姉様は普段このような物を読んでいるのですか、とミサカはーー」

「ちっがーう!今日はその…たまたま、目についただけで…!いつもはね、」

「ミサカは用事を思い出したのでこれで失礼します、とミサカはお姉様に対する態度を改めつつ回れ右をします」

「改めなくていい…っつかちょっと待て」

つま先だけでくるっと百八十度回転してからその場を立ち去ろうとした御坂妹の肩をガシッと掴んで離さない御坂美琴。


ーー結局。
御坂妹の当初の目的だった電池は御坂美琴に探してもらい、二人はとりあえずそのコンビニから出ることにしたのだった。

うーーん、と大きく伸びをする御坂美琴。

端からみれば二人は双子にしか見えなかった。あえて二人を区別するようなものと言えば、御坂妹が身につけている以前上条に買ってもらったアクセサリー位だった。

「とりあえず、どっか入ろっか」

という御坂美琴の提案で、二人はコンビニから歩いて五分の場所にあるファミレスに一旦腰を落ち着ける事にした。

平日の朝とあって客も少なく、学生がワイワイと賑やかす午後とは違い店内は緩やかな空気に包まれていた。御坂妹は余った釣銭分でドリンクバーだけを注文しようとしたが、御坂美琴にお金なら気にしないでいいからここは妹らしく大人しく奢られなさい、と千三百八十円(税込み)のジャンボストロベリーパフェを半ば強引に頼まされたのだった。

「ミサカは今日は真っすぐ帰らないといけないのですが、とミサカはお姉様に対して抗議の目線で話しかけるます」

運ばれてきたパフェをぱくぱくほおばる御坂妹。

「たまにはいいじゃない、こういうのも」

「ーーそれで、お姉様はどうしてあのような物をお読みになっていたのですか、とミサカは早速本題へと入ります」

「う…べ、別にあれはその………」

顔を真っ赤にした御坂美琴は妹に見られたのが余程恥ずかしかったのか、語尾がしゅるしゅる小さくなっていき最後はシャボン玉みたいにパチンと弾けて消えていった。

やがて美琴の注文したパンケーキとシーザーサラダが運ばれてくる。

「ああゆう事に興味がおありなのですか、とミサカは再度お姉様に尋ねます」

ミサカネットワークを通じてお姉様(オリジナル)についての趣味思考や性格は聞いてはいたが、こうして直に美琴と喋る機会は今まであまりなかった。
自分と同じ顔、同じ姿。
しかし性格まで一緒ではない。
御坂妹はこれも良い機会だと、お姉様について自分の知らない情報を色々と聞き出す事にした。

「え、あ、そうね、えーと、あはは……」

サバンナの草原で主に草を食べている動物を狙う猫科の生き物のようにじーっとお姉様(オリジナル)を見つめる御坂妹。そのある種ただならぬ迫力にあはははーと始めははぐらかそうとした美琴だったが、やがてこほんと小さく咳ばらいをしてから、答える。

「……そりゃ、興味ないって言ったら嘘だけどね。私だって一応女の子だし?…そういうアンタは?」

「ミサカは……」


思いもせずこちらに振られてしまった御坂妹。

いくらクローンといえど、御坂妹も一人の女の子だ。オシャレにだって興味を持つし、異性とそういう関係になる事だって…ごくたまに夢想したりする。
そして、その妄想の中に出てくる異性は決まって“あの人”上条当麻だった。

「……もしも、そういう事をするというのなら、ミサカはあの人がいいです、とミサカは少々恥ずかしながらも宣言します」

「あの人…って…アイツ…よね?まさかアンタ、アイツとその…ああいう事がしたい…訳?」

聞かれて御坂妹も返答に困る。そうなのだろうか?自分で勝手に宣言しておいて、御坂妹も自分自身の感情の置き所に困惑しているようだった。

彼と、私。

上条当麻と、御坂妹。

空想の中の物語ならば何も躊躇う事はないはずなのに。一人一人が持つ“名前”という、個人を示す固有名詞に置き換えただけなのに。御坂妹の心臓の鼓動は感覚で三拍ほど早くなる。

「ーーところで、こんな時間にお姉様は何故あんな場所にいたのですか?とミサカはスムーズな話題の切り替えを行ってみます」

「…あんましスムーズじゃないけどね、それ」

呆れつつこの話題からは美琴自身もスパッと別れて海外のどこか遠くへでも旅行させておきたいのか、妹に話しを合わせる。

「……喧嘩したのよ、朝、黒子とね」

黒子、とは常盤台中学に通うお姉様のルームメイト、白井黒子のことだろう。
御坂妹は直接の面識はなかったが。

「アイツ朝私の寝顔を写真にとってたのよ。それでムカついて問い詰めたら、でるわでるわ私の盗撮写真の山!それで今日はもうなんだかイライラしちゃって、それでそのまま飛び出してきちゃった」

美琴はそれでまたスイッチが入ってしまったらしい。脳内鞄にしまい込んでおいた今日の出来事を色々と思い出したのか、

「大体アイツ変態なのよ!」

などと普通の人が聞いたら何事かと思われそうな台詞を言い放つ。

「変態……なのですか、とミサカは変態という単語の二通りの意味の、この場合どちらに該当するのかを真剣に考えてみます」

「蛹から蝶になるほうじゃないからね」

違うのか、と御坂妹は会った事のない“白井黒子”に(おそらく…何せ会った事のない為)貧乳から、だいなまいとぼでーへと華麗なる変貌を遂げさせる改造手術を頭の中で、一人勝手に施していた。

「…私の事が好きなのは…そりゃあ嬉しいわよ。例え同性でもね。…けどね、いくら好きだからってその方向性が…なんかもう、色々と壊滅的に間違ってるのよ!まあいくら変態でも私がアイツを嫌いになることはないけど…他にもね…………!」

「きゃあっ!」

ぱりーんと、グラスの割れる音がした。
何事かと二人が同時に音のした方を向くと、ウェイトレスがコケて水を客にぶっかけていた。

「申し訳ございませんお客様…!すぐなにか拭くものをお持ちいたします!」

ウェイトレスはあわてふためく。

「平気だ。……脱いでしまえば」

そんなウェイトレスとは対照的に、落ち着き払った客は自分の着ていた白衣とセーターを脱ぎ捨て、白いブラウスに手をかけた。…女性だった。回りの目など、なにそれおいしいの?的な姿勢で一寸の迷いも淀みもなくばさりと服を脱ぎ捨て、やがてなんの飾り気もないブラがあらわになる。

彼女の名前は木山春生。

ーー通称『脱ぎ女』である。

「…………げ、」

「……あれも変態なのでしょうか、とミサカは事態を冷静に観察します」

「………まぁ、そうね」

二人は見なかった事にした。

……それから御坂妹は、かれこれ二時間近く、美琴の(主に黒子に対する)愚痴を延々と聞かされる羽目になった。薮蛇、とは正にこのことである。

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/16(水) 18:22:28.15 ID:Lpc0eO/DO


「ーーやぁ、おかえり」


第七学区の病院へ帰還した御坂妹に、カエル顔の医者はそう軽く挨拶をする。

「ただいま…とミサカはぺこりとお辞儀します」

「随分遅かったけど、何かあったのかい?」

「はい、…お姉様にお会いしました、とミサカは正直に告白します」

カエル顔の医者は、

「……そうか、」

と、なにやら含みのある相槌を打つ。

御坂妹は、今もまだ、姉との会話が頭から離れなかった。

そういえばもう随分彼とも会っていないな、とマンガに出てくる恋する少女の気分を味わってみる。

「…それでね、ちょっと困った事になったんだよ」

「ーーなんでしょうか?とミサカは先を促します」

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/16(水) 18:25:45.98 ID:Lpc0eO/DO


「君と一緒に『外』へ出る筈だった人間が急病でね、出られなくなってしまったみたいなんだ」

ーーそれは、何を意味するのだろう。

「済まないが、君一人で行ってくれるかい?」

「それは構いませんが、とミサカは精一杯の強がりを口に出してみます」

ミサカもう大人だから学園都市の外にだって一人でいけるもん、などと言えば嘘になる。なにせ生まれて数年、この街を出たことは一度も無いのだから…。

「もしも不安なら、誰か君の知っている人間に同行してもらうといい。幸い、飛行機のチケットは二枚あるからね」

「同行ーー…」

(ならばミサカは、あの人とーー…)

ーーそれは、御坂妹にとって突如舞い込んだ、願ってもないチャンスだった。

44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/16(水) 18:29:05.75 ID:Lpc0eO/DO


ーー


「…つまり、それで俺に一緒に学園都市の外に付き合ってくれ…と?」

「端的に言えばそういう事になります、とミサカは貴方にお願いしてみます」

上条当麻の部屋で、正座の御坂妹はこくんと頷く。
夕飯の支度に取り掛かっていた上条は、ぴんぽーんと玄関から鳴り響くチャイムの音に、インデックスの奴今日はいつもより降伏宣言が早いナァなどと思いながら、はいはい今開けますよーとドアを開けたその先に待っていたのは修道服の腹ぺこシスターではなく、何故か御坂妹だった。

ーーそして十分後。事情を聞いた上条は、

「行くのはやぶさかでもないけどさ、今からか?」

「はい……何か不都合でも?とミサカは問い掛けます」

外出したままのインデックスを置いて黙って出掛けてしまうのは流石の上条にも少しばかり気が引けた。しかし……。

「…いや、分かったよ」

困った人を放って置けない上条の性格からして、断る事など出来はしないのだった。

(インデックスには書き置きでも残して置けばいいか…)

ーーそして、現在。
無人のタクシーは、上条当麻と御坂妹、二人を乗せて目的地へとひた走る。

(インデックスのやつ、どうしてるのかな…)

上条はやはり、インデックスの事が心配だった。ドアの鍵は開けておいたので閉め出される事はない。物盗りに持って行かれるような高価なモノも持ってはいない。それでも。

タクシーは少し速度を落とし、走行する。

「へくちっ」

「寒いのか?」

可愛らしくくしゃみをした御坂妹に上条は声をかけた。冷房が効き過ぎているのだろうか?

「平気です…と、ミサカは鼻をすすりながら答えます」

ずずず…と御坂妹。ポケットティッシュでも持っていればよかった…と上条は後悔した。しかし、

「あ、ほら御坂!ティッシュあるぞ」

タクシーにはボックスティッシュが置いてあった。

「…?それをどうするのですか…?とミサカは疑問を投げかけます」

「どうするって…ええと…ほら、ちーんってするんだよ、ちーん」

上条は一枚ティッシュを取ってから、鼻をかむ真似をする。

「……?」

御坂妹は鼻をかんだ事がないらしかった。ティッシュをハンカチのように指先で掴んで恐る恐るといった感じで広げている。

そんな御坂妹にじれったさを覚えた上条は、自分の手で御坂妹の鼻をかんでやる事にした。

「ほら…御坂」

御坂妹に対して上条は、なんだか子供みたいだな、と少しほほえましい気持ちになった。

「…そうだ御坂!チョコ食べるか、チョコ!」

そう言うと上条は、足元から真っ赤な包装紙に包まれた筆箱くらいの大きさの箱を取り出した。

「土御門…あー友達のお土産なんだ!チョコらしいんだけど…食べるか?」

「チョコ…ですか?とミサカは尋ねます」

「糖分とると体があったまるっていうしさ、部屋に置いとくとインデックスのやつが全部食っちまいそうだから、一つ持ってきた。…あ、もしかして御坂チョコ嫌いか?」

「…いいえ、嫌いではありません、とミサカは否定します」

「じゃあ……ほい」

べりべりと包装紙を破き、板チョコだったものをぱきっと割ってから御坂妹に渡す上条。

「おーー。中々うまいなこれ」

先にポリポリかじる上条。それに習い御坂妹も小動物のようにかじる。

お腹があったまるような気がした。

52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/16(水) 18:44:52.17 ID:Lpc0eO/DO


ーー


……おかしい。上条はそう思った。
時刻は午後六時。太陽は沈み学園都市の空は夜の帳を降ろしていた。
タクシーは渋滞に捕まってしまったらしく徐行運転で進んでいた。

しかし、上条が思ったのはそんな事ではなく。自身の体調に関わる事だった。

身体が熱い…。いくら糖分を摂取したからといってそんなすぐにぽかぽかしてくる筈がない。いや、ぽかぽかというよりは頭がカァーッとして全身から汗がじんわりと滲んでくる。

隣を見ると、御坂妹もまるで熱に浮かされているかのように頬を真っ赤に染めながら苦しそうにはぁはぁと肩で息をしていた。

どういうことだ?

どう考えても原因はまず間違いなくこのチョコだ。と思い、上条は土御門に連絡をとろうとした。…が、留守電に繋がってしまった。しかたないので、家電なら出るだろうと思い、インデックスにかけてみる。

「ーー…それ、簡単にいうと魔術的な力で作られた媚薬入りチョコだよ」

今食べたばかりのチョコの特徴を説明したインデックスから返ってきたのはとんでもないものだった。

「ええっと、…それってつまり……」

えっちな気分になるやつ…だよな?

「ちょっと前にイギリス清教の間で流行ったジョークチョコ。普通は恋人同士が食べるものだけど…ちょっととうま。…どうしてそんな物騒な物を持っているのかな?」

インデックスの語尾が怖い。

(くっそ土御門のやつ……!爆弾どころかとんでもないモン送り付けてきやがって……!)

あーっはっはー!引っ掛かったぜよカーミやーんと、土御門のバカ笑いが聞こえてくるようだった。しかし今は早く解決策をとらないと…。

「どうすりゃいいんだ……?このまま時間が過ぎるのを待てっていうのか……?」

「うーん…それを食べたのがとうま一人じゃなく、二人でっていうのなら…あることにはあるんだよ」

「本当か!…何すりゃいいんだ?」

「…ええとね、」

そこで急に言い淀んだインデックス。

「…キスするしかないんだよ、とうま」

ーーは?

「…それね、元々恋人同士目当てのジョークで作られた物なんだよ。だからねーー…」

もはやインデックスの言葉など耳に届いてこない。

キス?

つまり俺が、御坂妹と?

ぐわんぐわんした頭で、何とかかんとかインデックスとの通話を切る。

ーーやばい。

上条もだんだん変な気分になっていく。身体中の血行がじわじわと良くなっていくような感じ。熱い。そして上条さんの息子さんの部分も血が集まってむくむくとしてきてしまった。

(くそ……っ!どうすれば……!)

くたっ。

ビクッとした上条が横を見ると、とろんとふやけた目をした御坂妹が、上条の肩にもたれこんでいた。

「み、御坂妹…あのな、これはその……!」

「…少し、そのままでいて下さい……と、ミサカは貴方に命令します…」

上条は説明しようとしたが、御坂妹に遮られる。

「あ、ああ……!わ、分かった!」

カチコチになった上条は、ようやくそれだけを御坂妹に言う。
御坂妹は上条の隣で目を閉じ、はぁはぁと苦しそうに息をする。
熱を帯びたその身体は、機械なら今にも壊れてしまいそうな気がした。

上条は、もうどうにかしてくれ、といった気持ちだった。

渋滞に嵌まったタクシーは止まったり進んだりを繰り返している。車内は冷房なんて壊れてしまったように、熱い。

「………ミサカは、」

「ど、どうした御坂!なんかまずいのか…?」

御坂妹は口を開く。心臓はどくどくと、鼓動を早める。細く目を開く御坂妹。上条との距離はほんの数十センチしかない。御坂妹はぎゅっと強く上条の肩をにぎりしめた。

「………したい、とミサカは…………です」

「……は?」

バクバクと心臓の音がうるさくて、御坂妹の声がよく聞き取れない。ただ潤んだ瞳の御坂妹をみてとても良くない流れになっているとーー上条は一握りの理性を総動員させていた。


ローファーを脱ぎ、ゆっくりとした動作で座席に膝立ちで乗る御坂妹。そのままゆっくり前のめりに上条の胸へと顔を埋める。上条はなす術もなくその場に固まったままだった。

「…み、み、御坂妹……あのさ……」

御坂妹は何も答えない。汗が滲んでいく。やがてゆっくりと顔を上げ、上条と目を合わせる御坂妹。

そして、唇を合わせようとゆっくりと顔を近づけてーー…。

「…待て!キスはダメだ!いやいいんだけど…じゃなくて!」

上条が大声で御坂妹を制止する。

ビクンッと身体を震わせる御坂妹。

よく見ると、上条の声にびっくりしたのか、泣きそうになっている。
…そこで、上条はチョコについて(魔術の事はぼかして)説明をする。

事情を聞いた御坂妹は、ゆっくりと口を開く。

「……それでもミサカは、苦しいのです、とミサカは…………、」

「でも、じゃあどうする…?キス……するのか?」

「ミサカは…………」

気まずい沈黙が流れる。

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/16(水) 19:33:48.30 ID:Lpc0eO/DO


ーーやがて御坂妹は、制服のボタンに手をかけた。

感触を確かめるようにゆっくりと一つずつボタンを外していく御坂妹。リボンを解き、ブラウスも脱ぎ捨て、白を基調とした清楚なブラジャーがあらわになる。恥ずかしいのかスカートはそのままだった。それがとても扇情的で、上条はかえって危ない気分になってしまう。
そして御坂妹は、上条の左膝の上に、まるでロデオマシーンのように跨がった。ぐちゅ、と水滴の濡れる音がする。上条の学ランに染みが広がっていく。

「ーー…いきなり服を脱ぎ出す変態なミサカは嫌いでしょうか……?とミサカは貴方に確認をとります…………」

「いや……そんな事は…………ない、けど……」

御坂妹は安心した。この人もお姉様と同じなのだ。こんな事くらいでは嫌いになんてならない。苦しい。御坂妹は際限なく熱くなっていく身体の変化、感情に歯止めが効かなくなってしまっていた。しかし。

「……どうすればいいのでしょう………?とミサカは……貴方に問い掛けてみます」

上条も、もう限界に近かった。密室。体温はぐんぐん上昇していく。身体は膨張して張り裂けそうなくらいに熱かった。
二人ともがまるでフルマラソンの後みたいに全身から汗を吹き出させていた。

ーー御坂妹は、夢想していた。


「…………御坂妹?」

目を閉じ、頬は真っ赤に染め、上条の首に両腕を絡ませる御坂妹。そして、ゆさゆさと、上下に身体を揺さぶらせ始めた。

「………………御坂、」

もう、どうすることもできなかった。

「…許…してくだ……さいとミサカは……ん……」

はぁはぁと熱に浮かされる御坂妹。ん、ん、と独り言を呟きながらほてった身体を揺らす。
びちゃびちゃと淫靡な音が車内に響いていた。

「……はぁ………あ………んっ…………」

熱い。
それしか頭にない。

上条はごくりと生唾を飲む。

「……御坂妹………あのさ、俺…………」

上条の理性は、もはや粉々に砕け散っていた。

「……ん………ん……はぁ………………」

68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/16(水) 19:43:07.55 ID:Lpc0eO/DO


ーー御坂妹は、夢想していた。


唇が、淋しい。

「…………………んっ」

御坂妹は上条の首筋にキスをした。
舌を這わせ、唾液を絡ませる。熱い。触れてほしい。熱い。キスをしたい。だけどーー…。

上条は、もう目の前の事態に頭が回っていなかった。ただ押し倒したい。何かを壊してしまいたい。そんな欲求が脳みそを支配していた。

御坂妹がぷはぁ…と口を離す。

「御坂妹さ…………俺ももうヤバイんだ………だから、」

「………お兄ちゃん、と呼んでもいいですか……と、ミサカは…懇願します…………」

そのストレートな可愛さ攻撃に、上条はぐお、と身がつまる。

その数秒の沈黙を了承と受け取ったのか、御坂妹はいっそう身体を激しく揺らす。

「……ミサカは、あ…お兄…ちゃん……が………お兄ちゃん…が……ふ……んっ……んっ……」

「御坂妹……」

可愛い…。上条は御坂妹の髪を優しく撫でた。

「あ………もっと……ミサ、カは………」

「御坂妹…………」

「ふぅ…ん…ん…そ…れ……好…き……好き………です、と…ミサカ…は……あ、ふ………」

「御坂妹……………」

止まらない。もう止められなかった。

「お兄…ちゃ、あ…ん……好…き……です………とミサカは…………ふあああ………」

上条は、ただじっと堪えていた。

「ああっ…あっ……あっ……ふ…好き……好き……ですと……ミサカ…は……はぁあ………!」

「ーーああっ」

くたっと上条の胸に倒れ込む御坂妹。はぁはぁと息を乱し、汗まみれになった顔は頬を染めている。誰もいない。ここには上条と御坂妹以外。

上条は、御坂妹を抱きしめた。

「………あっ……」

「……御坂妹、俺…」

上条は、御坂妹の顔を見る。とろんと蕩けた瞼。艶めかしい唇。御坂妹は今、なにもかもが極上の華と化していた。

「ミサカは……ミサカは……………」

泣きそうになるのを必死に堪える御坂妹。

(……………俺は、)

上条はぐっ…と歯を食いしばる。

そしてーー…、ゆっくりと顔を近づけ、その…唇に、自らの唇を合わせたのだった。

73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/16(水) 19:52:52.06 ID:Lpc0eO/DO


ーー


結局。
タクシーが目的地に着く頃には、時計の針は七時を回ってしまっていた。

上条はタクシーを降りてからとりあえず着替える為の服を調達した。

そして、御坂妹を見送った。

本当は学園都市の外まで一緒について行くつもりだったのだが、御坂妹は恥ずかしさに上条とは顔も合わせられないといった状態だった。そしてそれは、上条だって同じ事だった。

(……………はぁ、不幸だ)

上条は心の中でぼやく。

とりあえず、帰ったらインデックスになんて言い訳しよう、とそんな事を考えていたのだった。

ーー


数日後。
御坂妹は無事に身体検査を終え、学園都市へと帰ってきた。
ミサカネットワークに漏らさないように必死にプロテクトを掛けていた為、『あの日』の事は他のミサカ達にはバレていないようだった。

(ミサカはーー…)

御坂妹は今日も学園都市を生きる。一人の女の子として。

学園都市は、今日も平和だったーー。

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